eスポーツを通じた障がい者支援がいま、注目されている。
札幌障がい者グループホーム支援者の会「FIRST COMMONS」は、ゲームをテーマにした障がい者グループホームを立ち上げようとしている。
障がい者グループホームとは、障害者総合支援法の中で定められた障がい福祉サービスのひとつで、「共同生活援助」と呼ばれる。
主に精神、知的、身体に障がいのある方が、地域のマンションやアパート、戸建て住居において、グループホームのスタッフの支援を受けながら、生活訓練を目的として日常生活を送る場所だ。
「FIRST COMMONS」が立ち上げるグループホーム「eGH(electronic Group Home)」は、3つの目的がある。
1.引きこもってゲームをしている方に同じ趣味趣向の仲間をつくってもらい、社会参加のきっかけにしてもらうこと。
「うちの子は引きこもってゲームばかりしている。このままだと自分たちがいなくなったあと心配だ。」など、障がい者の親御さんから相談を受けるという。
ゲーム好きという同じ趣味趣向の仲間が集まる環境。単なる集団生活や就労先に急に飛び込んでいくことは、本人にとってとてもハードルの高いことだという。本人が好きなことをテーマとした環境であれば、信頼し合える仲間をつくり、社会参加へのスモールステップになる。
2.ゲームに依存してしまっている方に、共同生活を通じて適度な距離感でゲームと向き合えるようになってもらうこと。
ゲーム障害という症状は、WHO(世界保健機構)で新たな病気として2019年5月に国際疾病分類に加えられた。「eGH」は、集団生活において規則正しい生活をし、入居者それぞれと相談して決めたルールの中で、適切な距離間でゲームと向き合う生活習慣を身につけるサポートをしていく。
3.プロゲーマー・ゲーム配信者など、プロとしてゲームと向き合う夢を叶えられる住環境を提供すること。
働き方の多様化が進む昨今。『プロゲーマー』や『ゲーム配信者・ゲーム実況者』など、ゲームをプレイすることによって生計を立てることが可能となった。障がいのある方が参加できるeスポーツの大会が開催されたり、大手のゲーム会社も積極的に支援したり。障がいのある方がeスポーツのプロを目指すための就労支援施設なども設立されており、障がい者とeスポーツの可能性は日本でもいま注目されている。
「eGH」は、クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げている。
■快適・健康なゲームプレイ環境の障がい者グループホームをつくりたい!
https://camp-fire.jp/projects/view/362680
グループホームの構想や設立の想いをぜひ読んでいただきたい。
文・コノ